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GPSについての基礎知識

GPSの仕組み

GPSよくある疑問、基礎知識を解説



●GPS衛星は位置情報を送信している?



カーナビを含むGPSレシーバーを使用する際、GPS衛星は"自分が今どこにいるのか"という位置情報を直接送ってきたり、GPS衛星はGPS受信機の位置を逆探知でき、GPS衛星とGPS受信機は相互に通信をしている。と思っていませんか?
実はGPS衛星から発信される電波には、衛星自身の位置(軌道)や、電波を発信した時刻などの情報しか乗っていないのです。GPSという言葉を昔から知っている方はこのような誤解はされないと思われますが、意外にもGPS電波=位置情報と誤解されている方も少なくありません。ではどうやって位置情報が分かるのかというと、GPSレシーバーは電波の発信時刻と受信時刻の差から、衛星とレシーバーの距離を算出しているのです。3つの衛星の位置とGPSレシーバーからの距離がわかれば、レシーバーの位置が計算できます。しかし、GPSレシーバーが使用している時計は、GPS衛星に搭載されている原子時計(数十万年に1秒程度の誤差)ほど高精度ではないため、仮に電波の受信時刻が1 マイクロ秒(100万分の1秒)ずれるだけで距離の誤差は300mにもなります。そこで4つ目の衛星から電波を受信することで、時刻の補正を行っているのです。

弊社が取り扱っているGPSロガーをはじめとするGPS機器は上記の方法で位置を特定し、軌跡などの記録をとっています。
GPS Logger GPS Logger

それでは携帯電話やスマートフォンなどの端末のGPS機能も上記と一緒なのでしょうか?最近は、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などにもGPS機能が搭載されるようになり、様々な機能やサービスが利用できます。それらの端末は単純にGPSが搭載されているだけではありません。このあたりも誤解を招くケースが多くありますが、端末が自分の位置を知るためには、GPSの他に、携帯電話ネットワークや無線LAN (Wi-Fi)が使われています。
携帯電話ネットワークを使う方式では、基地局の位置と携帯電話との距離を計算して場所を推定します。通信方式や事業者によって方法は違いますが、GPSに比べて短時間で位置を測定できます。
Wi-Fiを使う場合は、携帯電話やスマホの周囲にある無線LANアクセスポイントを特定して、サーバーに記録されたアクセスポイントの位置情報から推測します。なお、GPSやWi-Fiを持たないパソコンでは、IPアドレスを基に推定するため、マイクロソフトによると「誤差は最大50キロ程度ある」という。この仕組みは携帯電話を使った方法に似ていますが、無線LANのほうが電波の到達範囲が短く精度が高く、建物内部でも利用可能というメリットもあります。
また、多くのスマホや携帯電話は「A-GPS」を搭載しています。これは携帯電話ネットワークとGPSを併用したもので、ここまでの方式ではGPSの精度がもっとも高いですが、位置測定に時間が必要で、都市部で建物の影になると電波が受信できない弱点があります。一方、携帯電話ネットワークを使う方法は、つねに場所の推測が可能ですがそれほど精度が高くありません。Wi-Fiもデータベースがなければ「圏外」なのです。そこでA-GPSでは、通信事業者からGPS衛星の軌道に関する情報を端末に提供して測定時間を短縮するとともに、基地局との位置関係とGPSの不完全な情報とを合わせて位置測定を行う。A-GPSは比較的高い精度を短時間で行えるメリットがあります。

それではカーナビはどうでしょうか?カーナビもGPSが搭載されていますが、トンネルの中など電波が届かない場所でも位置特定しています。
カーナビはGPSセンサーのほか、車の向かう場所を知る方位センサー(ジャイロセンサー)、車の移動距離を知る車速センサー(スピードセンサー)、そして地図データをもとにコンピューターが計算をしてカーナビ画面に表示させているのです。そして、トンネルなどのGPSが受信できないような場所では、上記の方位センサーと車速センサーによる「推測航法装置」または「自律航法装置」によって位置表示が可能となります。



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●リアルタイムで特定の場所を知りたい!

GPSがあれば離れたところにいる人の居場所を簡単に特定できると思っている方が少なくありません。この誤解はとても多くのお問合わせをいただいております。弊社に寄せられるお問い合わせの中で最も多いのが「GPSを使ってリアルタイムで特定の場所を知りたい」というお問い合わせです。 GPS機器には受信機と発信機があり、実際GPS発信機を使用すればリアルタイムで特定の場所を知ることはできますが、現在日本国内では電波法に抵触するため、認可されていないGPS発信機を販売することは禁止されております。そのため、月々の料金を支払うレンタルという形でGPS発信機を取り扱っている会社様はいくつかございます。しかし、その会社様方が扱ってらっしゃるレンタルの発信機は料金が高い場合が多く気軽にレンタルできるような発信機ではない事もあります。また、弊社で取り扱いのGPS機器の多くがGPS受信機となっており、軌跡などの記録を取り、のちにPCで確認するものとなります。

そこで、「リアルタイムで特定の場所を知りたい」というお客様の要望に応え、昨年より認可取取得済みのGPS発信機の取り扱いを始めました。位置情報発信の為にSIMカードが必要となり月々の料金がかかるタイプや1年間通信費が込みとなっている製品などその種類も増えてきております。

音声通話やSMS通信対応のSIMカードを使用すれば、通話やSMS通信での設定変更なども可能です。

地図上の任意のエリアを選択し、そのエリアの出入りをアラートで指定のメールアドレスまで通知を送る、振動を検知した時、端末のボタンを押した時、設定速度以上で動きがあった時など様々なアラート機能をもった製品がございます。車両やヒト、荷物などの見守り、管理・保守など個人用途や企業様での採用など利用用途は多岐にわたります。商品詳細は以下よりご確認願います。

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●屋外にいるのにGPSが受信出来ない!精度が悪い!

これはGPSを初めてご利用される方に必ず知っておいて頂きたい項目となります。GPS機器を使用する際にGPSを受信するためには屋外に出る必要があります。しかし、屋外にいるのに、GPSが受信できない!精度が悪い!といったお問合せも少なくありません。それはGPS機器が壊れているのではなくそのほとんどのケースで受信環境に問題があるのかもしれません。特に以下のような環境ですとGPSを受信しにくくなります。

•ビルなどの近くや谷間 
•トンネルや森の中 
•高圧電線や1.5GHz 帯の携帯電話などの近く 
•長い距離を移動したとき
•周囲の環境が異なる場所へ移動したとき

また、天候も影響があります。曇りや雨の日は空が雲で覆われているので、通常の晴れている日より精度が落ちる様です。もちろんGPS機器の故障も考えられます。お使いのGPSのリセットを試して頂いてそれでも機能しない場合には弊社までご連絡頂ければと思います。そしてGPS機器を初めて使用する場合、長期間使用していなかった場合はGPSが受信できるまでに10分程かかる事もございます。より精度よくGPSを受信するためには、空が開けている状態で、360°、斜め45°の周囲に何も障害物が無い状態です。それでもGPSは多少の誤差が生じてきますことはご了承ください。GPSは完璧なツールと誤解されないようご注意願います。



●GPSがあれば遭難しない?



近年登山者でGPS機器を利用する方が増えてきており、GPS機器があれば自分の居場所がわかるので遭難しないためにGPSを頼りにしている方もいます。これはとても危険な誤解の1つです。GPS機器を持っていれば遭難しない!なんてことはありません。実際にGPS機器を持っているにもかかわらず、遭難された方は思った以上に多いのです。そのような方の中には紙の地図やコンパスを持っていなかったり、持っていても読図できなかったりするようです。また、せっかく高価なGPS機器を買ったのだから使いこなしたいと思われますが、いざ登山へ行くとGPS機器のバッテリー切れ、故障、受信環境が悪く大きな誤差が出る場合も考えられます。そのため、GPS機器をあまり頼りにせず、あくまで位置情報を知るうえでのサポートツールと考え、基本的には紙の地図とコンパスで読図が出来る状態にしておき、準備万端で登山に行かれるのが良いと思います。

また、弊社ではGARMIN社製日本語版GPS機器と登山地図がセットになった商品も販売しております。登山地図には登山道が収録されており、事前にパソコン等で登山ルートの確認やルート作成等も可能です。GARMIN社製日本語版GPSはもちろんコンパスがついておりますし、登山地図も1/25000の縮尺の詳細地図となっておりますが、上記の通り紙の地図やコンパスをお持ちいただく事は変わりありません。是非安全で楽しい登山を行って頂きたいと思います。


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